「カミーノ」へ行ってきました、ヌー( @like_a_rhino )です。
2019年6月に、ポルトガルのポルトからスペインの聖地サンティアゴ・デ・コンポステーラまで、250kmを徒歩で巡礼(カミーノ)してきました。
きょうはそのカミーノの「7日目」の様子を。
スペインガリシア地方らしい、雨が降ったりやんだりが目まぐるしいいちにちとなりました。
▼ポルトガルとスペインの国境を歩いて渡った6日目は、こちら。
目次
雨に降られた7日目、O Porrino~Arcade、歩行距離29km
朝5時に起床。
この日はいちにちグズグズした天気になりそうな予報だったので、雨の中どれぐらい歩くことができるか見極めのつかないわたしたちはとにかく早めに歩き出すことにしました。
真っ暗&雨の出発
宿泊していたアルベルゲ「SENDASUR(センダスル)」のカードキーはデポジット式。
チェックイン時に2ユーロをデポジットで払っています。
前夜にMenu(メヌー)を食べた提携レストラン「Paso a Nivel(パゾ・ア・ニーヴェル)」が朝5時半から開いており、そこでカードキーを返却すると2ユーロを払い戻してもらえるシステムでした。
5時45分、カギの返却も完了し、カミーノスタート!
雨のO Porrino(オ・ポリーニョ)の街を歩きはじめました。
が。
これがなんだかめちゃくちゃ怖かった。
これまで6時近くになれば、たとえ太陽自体は上って見えなくても空は全体的に白んで明るくなっていて、歩くのに困ることは全然なかった。
この日は違いました。
雨のせいか真っ暗なままで、モホン(道標)のかたちできっちり建っていればともかく、道路や壁にかかれたような黄色い矢印を追うのが結構むずかしい。
ヘッドライトを点けて気を張りながら歩いていると、サンティアゴまで101kmという数値をあらわしているモホン(道標)を発見!
そうか、そろそろ目的地のサンティアゴ・デ・コンポステーラまでちょうど100km地点になるんだ…とワクワクしつつ、Yとふたりで黄色い矢印を追います。
前年2018年に「フランス人の道」を歩いている友人Yいわく、あちらの残り100kmのモホン(道標)はみんながいろいろ置いて飾り付けていて、とても華やかで目立っていたとのこと。
…なのに。
見つけたものは、すでに100kmをすっとばしてた 笑。
ここでみつけた99.84kmのモホン(道標)のすぐ手前で脇道が合流していたので、100kmはそちらにあるのかも?と思ってちょっと脇道を入って逆行して行ってみたのですが…。
林の中で粗大ごみがところどころ打ち捨てられているような道で、雨で暗いこともあってさらに雰囲気がうすら寒くて、300mほど行きましたがあきらめてとっとと元の道に戻りました。
こわかった…。
まあ、ここがわれらの100km地点ということで!
【Day7】6/18
雨のせいか6時近いのに真っ暗。ヘッドライトがあってよかった!
そして、なぜかサンティアゴまで100kmのモホンが見つからず、100.20kmからいきなり99.84kmにとんでたので。
ここを!
われらの!
100km地点とするっ!#Spain#カミーノ #camino#vamos_andando pic.twitter.com/7fzq0qGzwU— ヌー : すっきり、さっぱり。 (@like_a_rhino) June 18, 2019
Yはちょっと残念そうでした。
そういえば、このモホン(道標)にはちょっぴり石積みがされていました。
きっとみんなここで同じように感じ、同じようなことを考えたのでしょう 笑。
7時ごろようやく周りが十分明るくなってくると一気にほっとして、ふたりで「お日様っていうのはほんとうにありがたいね!」と感謝。
とはいえ、雨と寒さのおかげでいつもの歩行時の格好にポンチョを羽織ってるのがちょうどいいぐらいでした。
▼軽量化しつつ雨対策!わたしのミニマム雨装備はこちら。
歩き始めから2時間弱。
歩いていた道と周りの建物が突然テーマパークみたいに整ってきた?と思ったら、Mos(モス)という村に入ってた。
アルベルゲ(巡礼者用宿)とカフェが一体になった建物を見つけたので、朝食を摂ることに。
ちょうど宿泊していた巡礼者が朝食をとって出発するぐらいの時間だったので、店内は大混雑でした。
ボカディージョとオレンジジュースで朝食。
この日かなり寒かったのでさすがにオレンジジュースは…とも思ったのですが、ここでコーヒーや紅茶を飲んでしまうとてきめんに後で困っちゃうのですよねえ。
…トイレが。
カミーノも7日目。
巡礼者なら一度は通る「お花摘み」もすでに何度も経験してきていますが(照)、まあ、それでもできるだけバルやカフェでちゃんとトイレできるに越したことはなく。
わたしはコーヒーや紅茶の利尿作用をどうもモロに受けてしまうので、気をつけられるときは気をつけるようにしていました。
オレンジジュース、寒かったけど、おいしかった 笑。
コロコロを引いて歩いてる…?
朝食を終えた時には雨があがっていたのに、出発の準備をしている間にまた雨が降ってきました。
あいかわらず雨具を身に着けたまま、どんよりした空の下ゆるやかに上り続ける坂を歩きます。
前を歩くひとたちに追いついたら。
…コロコロを引いて歩いてる…?
右側の女性は大きな棒を杖にして空身で歩いていて、左の男性は大き目のリュックを背負い、コロコロを引いて、しかもお腹側にもちいさなリュックを持っている。
一体どういう状況…?
巡礼者じゃないのか…?
そうこうしながら林の中を歩き、ひとつ丘を越えると向こうの景色がひらけ、今度は一気に下りはじめました。
この下り坂、結構な斜度で、歩いているだけでもちょっと怖かった。
下から住人らしきひとが車で上ってくるところにすれ違ったけど、あんな坂道を運転するなんて恐ろしすぎる。
ずるずる後ろに滑り落ちていきそうな坂でした。
カミーノ沿いの家々の様子はポルトガルとはがらりと変わり、何を見てもしっとりとした重みをもっているように感じられます。
まだまだ湿気はあるものの雨はしばらく来なさそうなので、雨具を仕舞ってRedondela(レドンデーラ)の街に向かいます。
レドンデーラの街
11時過ぎ、Redondela(レドンデーラ)の街に到着。
かなり大きな街で、大きな建物やアルベルゲ(巡礼者用宿泊施設)、カフェもたくさんありました。
この街では、泊まる場所に困ることはないだろうな…。
街の上を横切っていく鉄橋がかっこいい。
まいにちまいにち歩くだけの生活ですっかり田舎道に慣れてしまった私たちは、レドンデーラの大きな街に口をぽかんとあけて右往左往です。
そのうちまた雨が降ってきてしまったので、カフェで一休みしながら雨が通り過ぎるのを待ちました。
12時半、巡礼者たちが座り込んで開くのを待っているアルベルゲ「Casa da Torre(カーザ・ダ・トーレ)」の横を抜けて、カミーノ再開。
ちらちらとお日様も顔をのぞかせる中、街を通って行きます。
道端で、お祭りに使うカーネーションの準備をしている女性たちに出会いました。
ひとつひとつきれいに形を整える手さばきがみごと。
この小路、車が入ってこないように封鎖されており、地面にはチョークで描かれた模様が。
どうも、お祭りで先ほどの女性たちが整えていたカーネーションでこの地面を飾りつける(と言っていた)ようです。
…ポルトガルもスペインも、お祭り好きだなあ。
Redondela(レドンデーラ)が大きな街と言っても通り過ぎればあっという間、道はまたすぐに田舎道に戻っていきます。
今回ところどころで見かけた巡礼者用の自動販売機コーナー。
Wifi電波は捕まえ方がよくわからなかったけど、お水やジュース、チョコレートバーなど、巡礼者が必要としそうなものがいろいろ用意されていました。
海が見えた!& 雨!
もうひとつ小さな丘を越えていきます。
おいしい湧水や、巡礼者の目印でもある帆立貝の貝殻でびっしり埋め尽くされた壁面を見ながら歩く。
そして下りはじめた道から、見えた!
Ria de Vigo(リア・デ・ヴィーゴ)の入江!
空がどんよりしていますが、雲間から光を受けている部分はきれいなブルーになっているのが見えます。
と同時に、前を歩く人の姿。
…あ!朝見かけたコロコロを引く夫婦!今度は奥さんがコロコロを引いてる!
じゅ、巡礼者だったんだ…。
いやー、斬新 笑!
夫婦の背中を見送りつつ一休みしているところに、寄ってきた猫さん。
いきなりものすごくなついてきたのに、「食べ物はないんだよ…ごめんね」と(もちろん日本語で)言った途端にぷいっと離れて行った超ツンデレさんでした。
さて、宿まではあとほんのちょっとのはず!というところでいきなり雨が本降りになってきた。
わたしはポンチョをひっかぶり、友人Yは折り畳み傘をさっと出してしのぎました。
このあとかなり急激にザーザー降りになったのですが、タイミングよくその直前で宿に到着。
大きく降られることなくこの日のカミーノを歩き終えることができ、ほんとうにホッとしました。
(…それにしてもあのご夫婦、あのあとちゃんと宿に着けたかなあ…。)
カミーノ7日目の宿をご紹介
カミーノ7日目の宿は、「A Xesteira(ア・シェステイラ)」。
前日に、【Booking.com】で予約しておきました。
2ベッドルームですが、上下でちょっと変則的な二段ベッド形式。
古い建物をリノベーションしたばかりかな?とてもきれいでした。
今回のカミーノで宿泊しているところは大体どこも清潔で気持ちよかったのですが、この「A Xesteira」はその中でも飛びぬけて清潔な感じがしました。
チェックインの時にアテンドしてくれたオーナーだと思われる女性、ちょっと潔癖症?と思うぐらいすべてにおいてきっちりしっかりしています。
シャワールームもトイレもものすごくきれいで、タオル、シャンプー、ドライヤー付き。
1階の室内共用リビング。
Wifiも使えます。(2階の個室ではかなり弱めでした。)
もうひとつ、1階のサンルーム的な共用リビング。
ここもものすごくきれいでした。
洗濯機(2ユーロ)、乾燥機(2ユーロ)。
値段が良心的で助かる!もちろん使わせてもらいました。
手洗いの洗濯場もあります。
これ、日本人なわたしたちには奥行きありすぎて超使いにくいんですけどね。
共用キッチンとダイニング。
棚にはいろいろ食料が入っていて、貼られたシールに書き込まれた料金を壁のボックスに入れて自由に使うことができました。
雨が降っているし、近所のレストランのオープンが20時半とのことでめんどくさくなってしまい、この日の夕食はここの食料品で自炊に。
アルベルゲ近くのレストランが20時半からとのことで、待ちきれず。
キッチンにある食材と道具でぱぱっと。
✔️マギーのスープ
✔️キノコの瓶詰めでパスタ
✔️もやしと人参の中華風サラダの瓶詰めとサーディン缶サラダ主婦が2人揃えば朝飯前 笑!#Spain #カミーノ #camino#vamos_andando pic.twitter.com/jTmdei7YNA
— ヌー : すっきり、さっぱり。 (@like_a_rhino) June 18, 2019
2人分合計8ユーロでおなか一杯。
友人Yの主婦力がいかんなく発揮された夕食、おいしかった!
この宿は、翌朝の朝食付きで22ユーロでした。
朝食については、「8日目」の日記でご紹介します。
全体的に、ものすごく清潔できっちりしてよくできた宿でした。
「カミーノ8日目」へ、つづく!
なんだかんだ一日中雨にまどわされた7日目も、おわり。
終日雨に降られはしましたが、持っていった装備できちんと対応できる程度だったので助かりました。
この日泊まった宿はとてもしっかりと運営されていて、快適至極。
翌朝の朝食もたっぷりいただいて元気よく出発したはずだった8日目は、先が見えなくて不安で不安でちょっぴり涙が出てしまった一日になりました。
「カミーノ8日目」の日記へつづきます。
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