「ポルトガル人の道」巡礼ブログ

【2日目】カミーノ日記。二日酔い、カミーノらしさ満点の道、美味しすぎるタコ、ドイツ&日本だらけのディナー。

カミーノ「ポルトガル人の道」鉄の十字架

「カミーノ」へ行ってきました、ヌー( @like_a_rhino )です。

2019年6月に、ポルトガルのポルトからスペインの聖地サンティアゴ・デ・コンポステーラまで、250kmを徒歩で巡礼(カミーノ)してきました。

きょうはそのカミーノの「2日目」の様子を。

ガチガチの緊張もとけ、カミーノの目印である黄色の矢印も順調にたどれるようになり、いよいよ心も軽く楽しく歩けると思った2日目は、ひどい体調で始まりました…。

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二日酔いで始まった2日目、Vairao~Pedra Furada、歩行距離27km

修道院の宿で同室だったベルギー人男性、ものすごくシュッとしたタイプにしか見えなかったのに、イビキがもの凄かった…。

修道院のドミトリーの壁がタイルだったせいか、部屋中わんわん響いて大変でした 笑。

ひどい頭痛と喉の渇き…

ドミトリーで同室だったベルギー人男性のイビキがきっかけだったのか記憶が定かではありませんが、ベッドの上に広げた寝袋に潜り込んでしばらくして、すぐ目が覚めました。

頭が割れそうに痛い。

喉もカラカラ。

あいにくポルトを出るときに持ってきた1.5Lのお水はすでにすっからかんになっていて、前夜夕食を食べたレストランであらたに買い足すことも忘れていました。

時刻は12時半、まだ数時間寝たか寝ていないかぐらいの時間しか経っていません。

友人Yが睡眠があまり得意でなく睡眠導入剤を服用しているのを知っていたので、声を掛けるのはどうしてもためらわれました。

そのまま朝までうなされながらうとうとしたり、目が覚めたり。

ほとんど眠れないまま朝を迎えました。

6時過ぎにYが起き上がる気配がしたのでわたしも起床。

Yがびっくりして声を掛けてきました。

「顔まっしろだけど!大丈夫?」

うーん、なんか頭痛くって喉がカラカラで全然ねむれなくてさー。

「声かけてくれればよかったのに。

あのさ、

それ、

二日酔いだよね?」

…二日酔い???

「昨日のレストランで結構ワイン飲んでて、そのあとにレストランのおじさんから翻訳のお礼にもらったポートワインなみなみグラス一杯飲んでて、よく飲むなー、って思ったもん」

…oh…。

思い返してみれば、たしかに。

巡礼者用の食事「Menu(メヌー)」ででてきたワインがボトルだった上に、お礼にもらったポートワインまで飲んだんだ。

これは!

二日酔いですね!

きょうこそは早く、7時には出発しようと思っていたのに、気分が悪くて動けない…(最低)。

友人Yがキッチンでお湯を沸かして飲ませてくれ、あれこれ気遣ってくれました。

ちょっとずつ気分が持ち直してきてのろのろと起き上がり、のろのろと身支度。

8時になんとか無理やり出発です(最低)。

カミーノらしさ満点の道を歩く

修道院を出てカミーノの目印である黄色い矢印に沿ってゆっくりと歩き出すと、古い石塀に囲まれてユーカリの森の中を抜ける道に入りました。

カミーノ「ポルトガル人の道」、Vairaoの修道院を出て、森を進む カミーノ「ポルトガル人の道」、Vairaoの修道院を出て、森を進む

前日、その行程のほとんどを無味乾燥な一般道路を歩いて過ごしてきたので、ものすごく癒される…。

宿泊したVairao(ヴァイラォン)の少し先、Vilarinho(ヴィラリーニョ)のちいさな街を通過。

カミーノ「ポルトガル人の道」、ヴィラリーニョのまち

教会の前に、カミーノ巡礼者の像がたってた。

このあたりから雰囲気がどんどん「カミーノらしく」なってきて、黄色い矢印をたよりにけもの道のような細い道をおりていった先に、ぱっと広がったのがこの風景!

カミーノ「ポルトガル人の道」アヴェ川を渡るザメイロ橋 カミーノ「ポルトガル人の道」アヴェ川を渡るザメイロ橋

アヴェ川を渡る、Zameiro(ザメイロ)橋。

石橋が向こう岸へつないでくれています。

あああ、なんていい天気、なんて美しい景色、なんていい雰囲気なんだろう。

歩いてからだが目覚め始めたこともあり、ちょっとずつ気分も良くなってきました。

橋の向こう岸は峠へのゆるやかな上り坂。

景色はすっかり田園風景にかわり、真っ青な空の下に青々とひろがるとうもろこし畑の間を縫って歩いていきます。

うう…お茶飲みたい…。

コーヒーじゃなくて、渋~いお茶を飲みたい…。

Mamede(マメデ)の小さな村でこの日初めてのカフェを見つけ、なだれ込む。

カミーノ「ポルトガル人の道」のカフェでひとやすみ

紅茶くださーい!

紅茶もう一杯くださーい!

紅茶2杯にタラのコロッケ、ひき肉のパイを食べて、ようやくひとごこち。

なんかすっごく元気でてきた。

気持ちのいい天気の中、カミーノを気持ちよく歩き、エステ川に架かるArcos(アルコス)橋をわたる。

カミーノ「ポルトガル人の道」川にかかる石橋 カミーノ「ポルトガル人の道」川にかかる石橋

柳の木の下にでもかくれているのかな?、カエルの鳴き声がコロコロとここちいい。

橋を渡った先の丘に建つS.Miguel(サン・ミゲル)教会はやっぱり青いタイル、アズレージョがかわいらしい。

カミーノ「ポルトガル人の道」、サンミゲル教会 カミーノ「ポルトガル人の道」、サンミゲル教会

クレデンシャル(巡礼手帳)にスタンプが欲しかったけど、開いていなかった。

村で見かけたおうちの門のタイル、カワイイ…。

カミーノ「ポルトガル人の道」カワイイ手描きタイル

これ、全部手描きだよね…。

ヤギを放しているところをよく見かけました。

カミーノ「ポルトガル人の道」ヤギの放牧

「べえぇぇぇぇ」とふざけて呼びかけると何のきまぐれか返事してくれるのもいて 笑、たのしい。

そのうち、道端の石塀にたくさん小さな石が載せられているところに通りかかりました。

カミーノ「ポルトガル人の道」

そういえば、小石を持ってきてカミーノ上に置いていく風習があると聞いたことがあるような。

石塀の先には大きな十字架。

カミーノ「ポルトガル人の道」鉄の十字架

巡礼者の思いをこめた石が集まってくる。

きっとここはそういう場所なんだろうな。

…さて、またお腹すいてきた。

先をいそぎましょう。

スペインより美味しい?ポルトガルのタコ料理

13時過ぎ、少し大きめの村S.Pedro de Rates(サン・ペドロ・デ・ラテス)に到着。

ここで(なぜか)カミーノの黄色い矢印をはずれ、レストランを探し始めます。

カミーノというものは、基本的に黄色い矢印に沿ってさえいれば自然とバルやカフェやレストランの前を通るようになっています。

なのに、前日の黄色い矢印不信がまだのこっていたのでしょうか、道を外れてみつけたレストランに入ります。

カミーノからは外れているこのレストランには巡礼者用のMenu(メヌー)はなかったので、スープとサラダとタコ料理を注文。

前の年にお嬢さんとカミーノの「フランス人の道」を歩いている友人Yは、そのときに食べたタコ料理のおいしさが忘れられないそうで、ポルトガルに着いてからもタコを試してみたくて仕方がないらしい。

そうして出てきたタコ料理がこちら。

カミーノ「ポルトガル人の道」のタコ料理

タコがぷるんとやわらかくて、でもカリッとした焦げ目が香ばしくて、付け合せのじゃがいもはねっとりかつうま味たっぷりで、散らされたオリーブは爽やかで、めちゃくちゃおいしい!

このタコは、Yが今回と前回のカミーノを通してもここがNo.1だったと言い続けるほどの絶品でした。

サラダは野菜たっぷり。

カミーノ「ポルトガル人の道」ランチ

スープも野菜たっぷりだったので、食べきれないほど。

お腹いっぱいで店を後にしました。

「求めよ、さらば与えられん」?

レストランを出て、さっきカミーノをはずれた広場まで戻る。

カミーノの黄色い矢印を探しますが、ちいさなこの村の中心であろうこの広場からはいろんな方向に何本かの道がのびていて、そのどれを見渡してもなかなか黄色い矢印が見つからない。

じりじり照りつける日差しの中でぐるぐるしていたら、向こうでサッカーをして遊んでいる少年たちの姿が見えました。

道、ききたいな…。

そう思った瞬間、少年たちのサッカーボールがポーンと飛び出し、こちらに向かってころころ坂を転がってくる。

そして、見事にわたしの足もとでぴたっととまりました。

「ヘンな外国人」に戸惑いながらこっちにおりてくる少年たちに、サッカーボールを渡しつつ聞いてみる。

カミーノ、どっちかな?

「ああ、カミーノはこっち。この道をまっすぐ。」

わたしたちが立っていた道の一本となりがカミーノでした。

しばらく行ったら黄色い矢印がちゃんとあった。

…というか、分かれ道の入り口にちゃんとわかるように描いてほしい 笑。

それにしても、道を聞きたいな、と思った途端に足もとに吸い付くように転がってきたサッカーボール。

「求めよ、さらば与えられん」だったのかな?

ちょっと不思議な体験でした。

こんなカミーノもいいな

時刻は14時過ぎ。

じりじり照りつける太陽の中を歩き続けます。

この前日から時々みかけた、スペイン人らしき男性ふたりと前になったり後ろになったりしながらのんびり歩く。

カミーノ「ポルトガル人の道」

このふたりがほんとに楽しそうで、ずっと大声で笑いながら話してると思ったら、こんどは石塀の上をバランスとりながら歩いてみたり、そのうちガンガン大音量で音楽を流しだしたので見てみたら、左の男性の背負っているリュックのメッシュ部分に大きなスピーカーが入っていて、それに合わせて踊りながら歩いてたり。

こういうカミーノもいいよなあ。

そのうち、道端に聖地サンティアゴへのモホン(道標)があらわれました。

カミーノ「ポルトガル人の道」のモホン道標

あと208kmかー!

そして、相変わらず最高の天気の下、田園風景を抜けてたどりついたPedra Furada(ペドラフラーダ)の村。

入ってすぐのところにあった宿に寝床を確保です。

ドイツ人と日本人ばかりのディナー

この日27km歩いてたどり着いたPedra Furada(ペドラフラーダ)の村の宿「Casa D.Maria(カーザ・ダ・マリア)」は、7人部屋にわたしたちふたりとドイツ人女性アレクサンドラだけ。

シャワーを浴びてその日着ていたものを手洗いし、3人で近所のレストラン「PEDRA FURADA」へ夕食をとりに行きました。

カミーノ「ポルトガル人の道」のレストランペドラフラーダ カミーノ「ポルトガル人の道」のレストラン、ペドロフラーダ

入って席に案内されるとすぐに、入口に若い男女二人組の姿が。

同じく巡礼者だったらしく、同じテーブルにいっしょくたにまとめられました。

話し始めてすぐに、このカップル、ミケーリくんとリナちゃんの2人もドイツ人と判明。

はからずもドイツ人と日本人ばかりのディナーとなりました。

アレクサンドラはわたしと同い年の45歳、中学生と高校生の子どもあり。

今回は子どもも誘ったのにいっしょに来てくれなかったためひとりで歩いていて、最後の4日ほどはドイツからご主人が合流していっしょに歩く予定とのこと。

もう一方のカップルは、無邪気にキャッキャしている太陽のような笑顔のリナちゃんと、それにニコニコしながらあいづちを打っている優しくておとなしそうなミケーリくんという組み合わせで、見ていてほほえましすぎるかわいさ。

「日本?わたしマギーの醤油大好き!ごはんにカリカリの目玉焼きをのせてマギーをかけるの最高!一番好き!」

というリナちゃんの横で、

「マギーの醤油…うえええ…あれは日本の醤油とはぜんぜん違うから気にしないで。すっごい変な味なの!」

と冗談めかしながら教えてくれるアレクサンドラ。

その場でアマゾンを開いて「マギーの醤油」を検索し、日本から注文できるか調べてみたり。

ワイワイ楽しい時間を共有しました。

肝心の料理の写真が1枚も残っていないのだけど、ポルトガルらしい濃厚な野菜スープと新鮮な野菜たっぷりのサラダ、ふわっふわのタラのフライ、ピラフ、こっくりしたオレンジプディングにコーヒーと、ここのMenu(メヌー)はとてもおいしかった。

いいディナーでした。

カミーノ2日目の宿をご紹介

カミーノ2日目に泊まったのは、Pedra Furada(ペドラフラーダ)にある「Casa D.Maria(カーザ・ダ・マリア)」。

カミーノ「ポルトガル人の道」PedraFuradaの宿 Casa D.Maria

門を入るときれいな石畳のスペースがひろがり、その奥に石造りの平屋のドミトリーが建っています。

右手奥にはプールもありました、入らなかったけど。

室内にはシングルベッドとソファベッドとりまぜて7人分程度の寝床。

カミーノ「ポルトガル人の道」PedraFuradaの宿 Casa D.Maria

バスタオルを貸してくれたのがありがたかった!

ドミトリーの奥に共用シャワーとトイレ。

カミーノ「ポルトガル人の道」PedraFuradaの宿 Casa D.Maria カミーノ「ポルトガル人の道」PedraFuradaの宿 Casa D.Maria

シャワーはしっかり熱いお湯が出ます。

外のスペースに小さい洗い場があり、ここで手洗い洗濯が可能。

カミーノ「ポルトガル人の道」PedraFuradaの宿 Casa D.Maria

石けんも置いてくれています。

洗い終わったら物干し台へ。

カミーノ「ポルトガル人の道」PedraFuradaの宿 Casa D.Maria

洗濯ばさみもたくさんありました。

建物の奥の塀の向こうには、きれいなお庭。

カミーノ「ポルトガル人の道」PedraFuradaの宿 Casa D.Maria カミーノ「ポルトガル人の道」PedraFuradaの宿 Casa D.Maria

素泊まりで15ユーロ。

全体的に小ぎれいでとてもいい宿でした。

※この日はWifiが調子が悪かったらしく、接続前にエラー画面が出てしまって結局いちども使えなかったのだけが残念でした。

「カミーノ3日目」へ、つづく!

二日酔いに始まったカミーノ2日目も、なんとか歩き通すことができました。

翌日もどこまで歩けるか、歩きついた先にはたして寝床はきちんと確保できるのか不明な状況が続きます。

そんなカミーノ3日目、そこに泊まるつもりで歩いてきた宿が満室!どうしよう!という状況からふとたどり着いた宿が天国のような美しい場所だった件。

カミーノ3日目」の日記へつづきます。

 

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