「カミーノ」へ行ってきました、ヌー( @like_a_rhino )です。
2019年6月に、ポルトガルのポルトからスペインの聖地サンティアゴ・デ・コンポステーラまで、250kmを徒歩で巡礼(カミーノ)してきました。
きょうはそのカミーノの「6日目」の様子を。
ここまでポルトガルの道をたどってきましたが、この日はいよいよ国境を歩いて渡り、スペインへ入国することになります。
ポルトガルにいるうちはまいにち輝くような青い空だったのが、国境を渡ってスペインのガリシア地方に入った途端灰色になり、雨まで降ってきました。
多雨で多湿、そして「一日のうちに四季がある」とまで言われるガリシア地方の素顔を垣間見た、「カミーノ6日目」の日記です。
▼「ポルトガル人の道」で唯一ともいえる峠越えと30kmを越える歩行でくたくたになった5日目は、こちら。
目次
歩いて国境越え!の6日目、Fontoura~O Porrino、歩行距離26km
前日、峠越えと30km以上の長距離歩行でくたくたで夕食もそこそこに寝てしまったこともあり、この日は5時にすっきりと目が覚めました。
早朝のカミーノの美しさ
この日宿泊していた宿はドミトリーもキッチンもダイニングもすべて一続きの大部屋。
ほかの巡礼者はまだみんな眠っているので、荷物を一旦すべて外に持ち出して出発の準備をします。
ドミトリーの中でガサガサ音がすると迷惑ですしね。
わたしはもともと荷物が少ないのと、基本的に前日寝る前にほぼすべて整理をしておき、翌朝は寝袋をバックパックの一番上につっこんでしまえばすぐにでも出発できるように準備をしておくので、早朝の荷造りにもほとんど苦労はありません。
前日にオプションで3ユーロの朝食代を追加支払い済みのため、暗がりのなかヘッドライトの明かりを頼りに朝食を摂ります。
6時に出発するため、ドミトリーのキッチンで朝食中。
他の人はまだ寝ているので、ヘッドライトの明かりで細々と 笑。
山歩きで使っていた #ペツル のライトは、頭に巻く部分がバンドではなく巻き取り式のコードタイプ。
コンパクトに収まるので大好きです。#カミーノ #camino#vamos_andando pic.twitter.com/d1da3qG7kZ
— ヌー : すっきり、さっぱり。 (@like_a_rhino) June 17, 2019
こういう冒険みたいな雰囲気も大好きです 笑。
この日は「ストロベリームーン」だったとか。
5時に起きた時に見た月の大きさとかがやきがすごかった。
そんな月も見えなくなりだいぶ空も白んできた6時、出発です。
もう毎日言ってるけど、早朝のひんやりした空気の中歩くカミーノの美しさときたら…。
絵本の中の世界のようなのですよ。
2時間ほど歩いたところでおなかがすいてきたので、道端で休憩。
宿で作ってきた予備のサンドイッチとフルーツジュースで、カロリー補給です。
ポルトガル最後の街、ヴァレンサに到着
このあとほどなくしてカミーノはポルトガル最後の街、Valenca(ヴァレンサ)に入りました。
モホン(道標)いわく、サンティアゴまであと117km!
矢印にしたがって進んでいくと、目の前に大きな要塞が出現。
「太陽の門」とある門を通り抜け、進みます。
(門の入り口の矢印には「Costa(コスタ)」ルートと書かれていて、カミーノ1日目の悪夢がよみがえったのはナイショ。)
中にあったカフェでひとやすみ。
ちなみに、ポルトガルはほかのヨーロッパ諸国と同じくコーヒーがとてもおいしい。
そして、甘いお菓子もとてもおいしいのですが。
わたしは実はコーヒーも甘いものも特に好きではないので、カフェに入るといつも紅茶を頼み、タラのコロッケやサンドイッチのような塩気のものをかじっています。
これもとってもおいしいよ!
この日もとってもいい天気。
まだ朝がはやくて人影もまばらなヴァレンサの街をかるく散策し、北側の出口から要塞を出ました。
通り沿いには、鉄道の線路が走っています。
この線路も、この先ポルトガルとスペインの国境を越えていきます。
国境を歩いて渡ってスペイン入国!
さて、いよいよ国境となるミーニョ川に架かる橋を越えます。
地上と同じ高さに車道、その外側両方に歩行者用の歩道がついていて、一段上を電車が走る線路が通っている構造。
▼ヴァレンサの要塞を抜け、国境の橋をポルトガル側からスペイン側へ歩いて渡る様子を1分間の動画にまとめました。(音が出ます。)
こんなかんじでフツーにこっちから向こうへ歩くだけで国境越え完了です。
ちなみに。
動画にもちょこっと出ていますが、橋の真ん中あたりにペンキで国境がかかれています。
黄色い線の手前がポルトガル(赤と緑)、奥がスペイン(赤と黄色)。
…いや、ペンキ、カッスカス 笑!
ここ、国境だよね ???
ポルトガルもスペインも、もうちょっと、こう…。
ちゃんとしようか 笑。
ともかく、6月の12日にポルトガルのポルトを出発して6日目、スペイン入国です!
バレンサとトゥイの間にかかる橋を歩いて渡り、ポルトガルからスペインにはいりました。
そして、南から北に上がってるだけなのに、スペインに入った途端時差が発生。
10時だったのが11時に。
1時間どこかに行っちゃったよ…。#Spain #Portugal #カミーノ #camino#vamos_andando pic.twitter.com/75xMCZ4oPg
— ヌー : すっきり、さっぱり。 (@like_a_rhino) June 17, 2019
スペイン最初の街、Tui(トゥイ)
ポルトガル最後の街Valenca(ヴァレンサ)から国境を越え、スペイン最初の街Tui(トゥイ)へはすぐ。
Tui(トゥイ)の大聖堂、さすがに大きくて立派!
そして街全体にカミーノの雰囲気があふれている感じがします。
街を抜けたところにも、カミーノ!な石碑を発見。
おおきなおおきなペレグリーノ(巡礼者)の像。
面白かったのは、国境をわたってスペインのガリシア地方に入った途端に空が一気にグレーにかわり、重苦しい天気になったこと。
ガリシア地方は多雨多湿で有名で、しかも「一日の中に四季がある」と言われるほど天候の波が激しい地域です。
川を渡っただけなのに、ポルトガルからのこの変化。
おもしろい。
そして時刻は13時半、お腹がすいてきたところに丁度あらわれたカフェ。
カミーノの道がこのカフェにぶつかってそこから左に曲がっていくようなかたちになっているので、前を歩いている巡礼者がつぎつぎと飲み込まれるようにしてカフェに入っていくのが面白かった。
わたしたちもご多分にもれず飲み込まれ、トルティージャ(スペイン風オムレツ)、ボカディージョ(スペイン風サンドイッチ)、ズーモナランハ(生オレンジジュース)を注文。
うーん、このトルティージャ、塩気がものすごく強いけどじゃがいもがホクホクでたまごはカリッカリですっごくおいしい!
ものすごく甘くて濃厚な生オレンジジュースも絶品。
全体的にやさし~いマイルド~な風味が多かったポルトガルと、また雰囲気が全く違います。
おいしかった!
それにしても…。
川を渡ってほんのちょっと歩いただけで「国」が変わり「時刻」がかわり、そして天候気候も、食文化もがらりと変わる。
「国」って、「文化」って、なんなんだろうな、なんてことをふと思った休憩タイムでした。
はじめての雨
スペインに入国して数時間、雨がぱらぱらと降ってきました。
カミーノを歩き始めて6日目、はじめての雨です。
友人Yはジャケットを羽織り、レインパンツを履き、バックパックにザックカバーを掛ける。
わたしはポンチョを被り、足には膝までの長さのゲイターを着ける。
スペインのガリシア地方に入った途端にわかに曇り、雨がポツポツ。
急いでゲイターをつけてポンチョをかぶり、ものの数分で雨対策完了!
結局本格的にならないまま止んでしまったので脱いだけど、明日から天気が思わしくなさそうなので練習になった。#Spain #カミーノ #camino#vamos_andando pic.twitter.com/ufb8jZ6geG
— ヌー : すっきり、さっぱり。 (@like_a_rhino) June 17, 2019
わたしが一般的に雨装備で必須とされることが多い「レインパンツ」と「ザックカバー」を使わない理由はこちら。
この方が軽いのです。
▼軽量化と機能性を追求したわたしのカミーノ持ち物リストは、こちらからどうぞ。
どちらの道を選ぶ?
雨が大降りにならないうちに止んでしまったので、Orbenlleという地区の大きな絵のかかる不思議な一角で雨装備を撤収。
片付けているところを、前日のドイツ風宿で一緒だったドイツ人女子マリアちゃんが通りかかりました。
聞いてみると、わたしたちより2時間ほど遅い時間に宿を出てきたらしいけど、もう追いつかれている…。
ながーい脚がほんとうにうらやましいです 笑。
しばらくマリアちゃんの背中を見ながら歩いていると、向こうから走ってくる車をマリアちゃんが停め、運転をしていたおじいさんとなにやら話しているのが見えました。
追いついて聞いてみると、理由はコレ。
右の正式な矢印か、左の「C.Complimentario(カミーノ・コンプレメンタリオ)」とある矢印、どちらの道を行ったらいいか、聞いていたのだそう。
おじいさん曰く、
「右がもともとのカミーノなんだけど、こっちは産業道路になってしまっていてぜんぜんつまらない道。左の方がトータルの距離は1kmぐらい長くなるけど、ぜったいこっちの方がきれいでおススメ。」
とのこと。
距離が長くなると言われるとちょっと…。
長くなるのが本当に1kmだけかわかんないし…。
でも、産業道路をずっと歩くのは初日でもうこりごり…。
数分ふたりで相談し、おじいさんのアドバイスであっさりと左の道を進んでいったマリアちゃんに続くことにしました。
そしてこちらの道、緑たっぷりでいい道でした、おじいさんありがとう。
そして進むこと1時間半で、あきらかに大きな街に近い雰囲気になってきました。
…え…また分かれ道…。
川岸に建っているモホン(道標)の正式な矢印はこのまま直進するように示していますが、そのモホンの側面には左向きの矢印が手描きで追加されているし、モホンの足もとの道路に書かれた黄色い矢印はもはやどっちを勧めているのかしっちゃかめっちゃかだしで、大混乱です。
ここで頼りになったのが、紙のガイドブック。
これまでスマホに入れたGPSアプリなど頼りでほとんど開かなかったのですが、ガイドブックの地図を見れば一目瞭然、この川沿いに歩いていけば今日の目的地であるO Porrino(オ・ポリーニョ)」に着くことがわかりました。
モホン(道標)の正式な黄色い矢印とはズレますが、道を左に入り、川沿いに進む。
この川沿いの道はとてもきれいに整備された緑道のようになっていて。
ベンチで語らうおじいさんグループや犬の散歩をさせる女性、ランニングをするご夫婦などが行き交う憩いの道でした。
30分ほど歩いたところで、きょう宿泊予定のアルベルゲ(巡礼者用宿泊施設)の看板を発見!
街へ入り、無事アルベルゲにチェックインできました。
カミーノ6日目の宿をご紹介
ポルトガルからスペインへ国境を渡った6日目の宿は、アルベルゲ「SENDASUR(センダスル)」。
前日に、【Booking.com】で予約しておきました。
ここは今回のカミーノ全体を通して、いちばん大規模で整備されたアルベルゲでした。
大きなドミトリー部屋のドアを開けると、中にはボックス型の二段ベッドがずらり。
わたしたちが入ったのはその奥で4人分のベッドがコンパートメント状になったところ。
渡されたカードキーでもうひとつ扉をあけることになるので、セキュリティやプライバシーが保たれやすくてよかったです。
ベッドサイドに棚と充電用のコンセント、ベッド下には荷物を入れられるスライド収納がついていました。
結局この日このコンパートメントにはわたしたち2人だけだったので、誰かのイビキに悩まされることもなく、翌朝の出発準備も気兼ねなくできてとてもラッキーでした。
洗濯機は3ユーロ、乾燥機は4ユーロで使用可で、洗ったものはドミトリー奥の扉を出た庭で外干しできる。
わたしたちは洗濯機だけ利用し、外干ししました。
シャワーもトイレもきれいで使いやすかった。
徒歩2分のところに提携しているカフェレストラン「Paso A Nivel(パゾ・ア・ニーヴェル)」があり、そこで巡礼者用の食事Menu(メヌー)をいただきました。
フルーツの載ったサラダ。
ワイン。
メキシカンライス。
チキンプレート。
ポークプレート。
レストランの横には線路が通っていて、貨物列車が通っていくのが見えました。
恋人らしき?ふたりは、どちらもスマホに夢中。
こういうのって世界中どこでも変わらないんだろうなあ。
「カミーノ7日目」へ、つづく!
カミーノ6日目は、ついに歩いて国境を渡ってスペインに入ったいちにちとなりました。
翌日の天気予報は雨。
ここまで経験のなかった雨の中のカミーノがどうなるか不安なので、6時前には出発して歩きはじめることに。
まだ夜の明けきらない真っ暗なカミーノを歩きだし、時折雨に降られながら、静かな美しい海沿いの街Arcade(アルカデ)の街にたどり着いた「カミーノ7日目」の日記へつづきます。
▼バックパック重量4.8kg!わたしのカミーノの持ち物リストはこちらからどうぞ。
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