「カミーノ」へ行ってきました、ヌー( @like_a_rhino )です。
2019年6月に、ポルトガルのポルトからスペインの聖地サンティアゴ・デ・コンポステーラまで、250kmを徒歩で巡礼(カミーノ)してきました。
きょうはそのカミーノの「3日目」の様子を。
日本ではお花屋さんで買うような花が咲き乱れる中を歩き、ポルトガルのニワトリ伝説の街を通り、野を越え山を越えようやくたどりついた村で、泊まろうと思っていた宿がすでに満室だと…?、だった日の記録です。
▼ひどい二日酔いでフラフラで歩き始めた「2日目」の日記はこちら。
目次
宿が満室だと…?な3日目、Pedra Furada~Balugaes、歩行距離24km
この日は、かなり大きくかつ歴史の深い街Barcelos(バルセロス)を通りつつ歩くカミーノになりました。
そして、24km歩いてたどり着いた村でがっくり。
泊まろうと思っていた宿がすでに満室で、膝から崩れ落ちます…。
ゆたかなカフェ文化
Pedra Furada(ペドラフラーダ)の宿を6時45分に出発。
3日目にしてようやくやや早めに出発することができました。
朝のひんやりした空気の中を歩くのって、ほんとうに気持ちがいい。
家々の前を通ると、こうして門やドアに焼き立てらしきパンがぶら下げてあるのがよく見受けられます。
村のパン屋さんが配達してくれてるみたい。いいなあ…。
1時間ほど歩いたところでちいさなカフェがあったので、朝食をとるために入りました。
ここでお水を調達しつつ、紅茶とサンドイッチを。
このサンドイッチがめちゃくちゃ美味しくて、バターがこれでもかと香るクロワッサンにハムとチーズがはさんであってそれだけでも美味しいのに、さらにクロワッサンがまだ焼き立ててほこほこしているのです!
友人YはカフェのWifi電波でひさびさにネット接続でき、歓喜。
わたしは今回現地で使えるSIMカードを入れたスマホを持ってきているのでどこでもネット通信できるのですが、彼女は宿やカフェでフリーのWifi電波を捕まえるしかない。
前日の宿ではネットワークの不具合でネット接続できなかったので、このカフェで接続した途端にLINEが一気に入ってきたようで、着信音が鳴り続けていました 笑。
しかし、ポルトガルではこんな小さな村と言えるかどうかも怪しいような場所でも必ずと言っていいほどちゃんとカフェがあり、フリーのWifi電波が使え、わたしたちのような余所者がいるかと思えば、常連客がいれかわりたちかわり入ってきては軽く何かを口にして、お互いに挨拶をして出ていく。
【Day3】6/14
6時起床、起きて15分で出発準備完了!
歩き始めて1時間、小さな村でカフェを見つけて朝食です。
パンとお茶とお水で約300円。
どんな小さな村でもこういうカフェがあり、地元の人が立ち寄ってる。
成熟したカフェ文化が羨ましい!#Portugal #カミーノ #camino#vamos_andando pic.twitter.com/sMISsNUcPS
— ヌー : すっきり、さっぱり。 (@like_a_rhino) June 14, 2019
ゆたかなカフェ文化がうらやましくなります。
ポルトガルの「雄鶏伝説」の街、バルセロス
サンティアゴまで200kmを切ったことを表すモホン(道標)の横を通りつつ進みます。
あと199km!
ポルトガルのカミーノを歩き始めて3日目、つねにYと感心していたのは、家々の庭のうつくしさとかわいらしさ。
青々とした芝生、色とりどりの花々にいろどられたお庭がほんとうに多い!
これから向かう「雄鶏伝説」の街、Barcelos(バルセロス)のニワトリのオブジェも増えてきました。
(この「雄鶏伝説」がなかなかヒドイというか雑というかユニークなオハナシなので、また改めてご紹介します。)
スターチスがその辺にふつうに咲き乱れてるけど、日本ではこれ、お花屋さんで買うものだよね。
このほかにも、日本ではわざわざ植えているようないろんなハーブもワサワサと茂ってる。
おうちのポストが、おうちの形…!
ふたつならんでるから、二世帯住宅なのかな?
歩き始めて2時間、Barcelos(バルセロス)の街に到着。
ここにも雄鶏!
カヴァド川に架かる古い橋を渡って、街の中心へ。
結構大きな川で、橋の上から水面を見てるとちょっとぞくっとする。
そびえたつMatriz(マトリス)教会、バルセロスの貴族の宮殿跡、雄鶏伝説の十字架。
この日は街のお祭りだったようで、こういった史跡にもカラフルな旗がはためいていました。
見下ろすと、渡ってきた石橋。
中世に架けられた橋がこうやってふつうに使われてるんだもん、すごい。
そしてここにも雄鶏。
とにかくどこもかしこも雄鶏だらけです。
6月だというのに震えるような肌寒さを感じる強い風が、お祭りの旗を躍らせ中。
ZARA、ベネトンなど日本でも見かけるようなショップが立ち並ぶ通りを抜けていきます。
バルセロスの中心になる広場に、Templo do Bom Jesus(ボン・ジェズス寺院)が。
実はここまで、クレデンシャル(巡礼手帳)に教会のスタンプをまったく押してもらえていないわたしたち。
この教会はどうかな…とおそるおそる入ってみても、やっぱりスタンプを押してくれそうな人も、スタンプ台も見当たらない。
スタンプはあきらめて教会内部をゆっくりみていたら祭壇の横から人がでてきたので、思い切って聞いてみる。
クレデンシャルにスタンプを押していただけますか?
…押してもらえた!!!
カミーノ出発地であるポルトの大聖堂以来、初めての教会スタンプ!
友人Yが前年2018年に行ったフランス人の道では、どんな小さな教会でも中に入るとテーブルがあって人がいて、スタンプを押してくれていたとのこと。
ポルトガル人の道でも是非と思ってあちこち教会をのぞいてきたのですが、どこもドアが閉まっていて入れなかったり、開いていても誰もいなかったり、スタンプの影も形もなかったりでフラれてばかりだったのです。
今回対応してくださったのは神父様だったのでしょうか、スタンプの上にサインまであって、うれしい!
バルやカフェや宿のスタンプももちろんうれしいのだけど、やっぱり教会のものはまたちょっと気持ちが違うのですよね。
ありがたかった。
街を出て、野を越え山を越え
お祭りを控えてにぎやかなバルセロスの街を抜け、ふたたび黄色い矢印に沿って歩きはじめます。
ちょっと青空になってきた。
線路を越え、ちいさな村々を通りぬけるあたりから、ちょっとずつ道が上がったり下がったり高低差が出てきました。
そのうちどんどんのぼりばかりになってきた。
天気もぴーかんになってきて、暑くてバテそう感ハンパない…。
このあたり、まったく写真がありません。
暑さと疲れに我慢できず、豪奢なおうちの門扉の前ですわりこんで靴をぬいで足をかわかしたりしてしまった…。
そこからもうひと上りしたところにあった記念碑?
こんなに景色よかったっけ…、記憶がない 笑。
そこからさらにもうひと歩きしたところにあったレストラン「2000」で、巡礼者用のMenu(メヌー)をいただきました。
こんなデカい肉と山盛りのフライドポテト、日本じゃとても食べきれないけど、カミーノだと食べちゃうんだよなあ…。
レストランの向かいにはこの村Portela de Tamel(ポルテーラ・デ・タメル)の教会と、そのうらにアルベルゲ(巡礼者用の宿泊施設)が。
ここでストップして泊まる判断をしてもよかったんだけど…。
時刻は15時、今日ここまであるいた距離は20km程度。
最終目的地であるサンティアゴまでの日程を考えると、もう少し先へ進んでおきたいよねえ…。
次に宿がある村Balgaes(バルガンイス)は、5kmほど先。
がんばってそこまで行ってみよう!
満室…からの、天国のような宿
Portela de Tamel(ポルテーラ・デ・タメル)から、細かいのぼり下りを繰り返しながら、全体としてはゆるやかに下りながらカミーノは続きました。
それにしても…暑い…。
女一人だったらちょっと心細くて通りたくないような森の中の細い道を抜けたところで、ふいに足もとが古さを感じる石畳に変わりました。
ふるーい石橋でした。
下にはきれいな川が流れ、橋の先でちょっと広く池のようになっています。
青い空が透明な水面に映り、流れる水音とカエルの鳴き声にいやされる。
ちょっと元気がでてきて再び歩きはじめ、目的の村Balgaes(バルガンイス)の入り口に到着。
泊まろうと思ってここまで歩いてきた宿の看板が石塀にかかっているのが見え、
そして、
その看板の上に「満室」の小さな札が掛かっているのが見えました…。
膝から崩れ落ちます。
…ううう、どうしよう…、もう何も考えられない…。
時刻は17時。
まだまだ昼間のように明るいとはいっても、今朝は7時前から歩き始めているのですでに10時間が経っています。
荷物をおろして落ち着きたい…。
とぼとぼとカミーノの黄色い矢印の示す方に歩き始めてしばらくして、城壁のような石塀に行き当たりました。
きれいなブルーの扉の横には、宿であることを表す「AL(Alojamento)」の表札が!
ブザーを押して開いた扉から入り、出迎えてくれたかわいらしい女性にベッドが空いているか尋ねたら、「ありますよ」とのこと!
なだれこむように受付をし、案内された部屋へ入り、荷物をおろしてあらためてきちんと部屋をみまわしてびっくり。
…なんか、めちゃくちゃかわいくない?ここ…。
シャワーを浴び、着ていたものを手洗いし、外に干そうと思って部屋を出てびっくり。
…なんか、めちゃくちゃきれいじゃない?ここ…。
部屋を出ると鳥がさえずり、芝生が生い茂り、実がたわわになった樹がきらきら光り、かわいらいしい花々があふれるお庭がひろがっています。
洗濯が終わった洋服をデッキチェアにひろげて置き、スマホ片手に歩きはじめます。
写真を撮る手が止まらない。
疲れもあったのでしょう、そのうち頭がふわ~っとしてきて、同じく洗濯が終わって向こうから歩いてきた友人Yに思わず、
…ねえ、わたしたち、生きてる?
…なんかここ、天国みたいなんだけど?
と聞いてしまいました 笑。
それぐらい美しい場所だった。
夕食もそこそこに就寝
ようやくたどり着いた宿の居心地の良さにほっとして、小一時間ほどベッドで居眠り。
目を覚ましたのが20時ごろ、まだ明るい外へ出て夕食を調達に。
ちょっと先に巡礼者用の食事Menu(メヌー)を提供しているレストランを見つけたのですが、疲れもあるのかどうもそんなにおなかがすいた感じもしない。
宿の裏手にあるちいさなバルでジュースとサラミとチーズをほんのちょっぴりだけ購入し、宿に戻って食べました。
パンがないのでチーズでサラミをはさんで食べたらものすごく美味しかった。
十分満足。
きょうはこれでおしまい。
ながいいちにちでした。
カミーノ3日目の宿をご紹介
カミーノ3日目の宿は、「Casas da Quinta da Cancela(カーザス・ダ・キンタ・ダ・カンセーラ)」。
門をはいると、石造りの建物が何棟かつらなりながら点在しています。
わたしたちが泊まったのはシャワーとトイレ付きの2ベッドルーム。
清潔なベッドとバスタオルがありがたかった!
スモークガラスで仕切られたシャワーブースの中のシャワーは、しっかり熱いお湯がたっぷり出ました。
洗面所もトイレもとても清潔。
そしてやはり特筆すべきは、お庭のすばらしさ。
シンプルなんだけど、細やかに手入れが行き届いた雰囲気が好ましい。
ガーデニング好きな実家の母親を連れてきてあげたいと思いました。
翌朝は、ダイニングルームでいただける朝食付き。
たっぷりのパンとベーコンとチーズ、ジャムやバターにお茶、コーヒー、オレンジジュースに果物。
パンにベーコンとチーズをはさんで食べる。
おいしい!
そして、Yとふたりで感動したのがこのスプレッド。
何かわからないまますくってパンに載せて食べてみると、ほのかな酸味と甘みとコクがあって、でもふわっふわにかるくて、マヨネーズっぽいけどマヨネーズとは違う。
一体これはなに…?
お茶を出しに来てくれた女性に聞いてみたところ、なんとヨーグルトとのこと。
きっとあの地域でだけちゃんと発酵してできるものなんだろうな。
これ、おいしかった~!いまでも思い出します。
ほんとうに天国に来たように感じたこちらの宿、わたしたちは行き当たりばったりでたどり着きましたが、【Booking.com】で「Casas da Quinta da Cancela (Barcelos)」と入れて検索すれば、ちゃんと出てきました。
ここはぜひ母親を連れてきてあげたい(…歩きではなく…)と思ったホテルでした。
「カミーノ4日目」へ、つづく!
カミーノ3日目、泊まろうと思って25km歩いてきた宿が満室だったときの、膝から崩れ落ちる感覚…。
それでも、だからこそ天国のように美しい庭を持つ宿にたまたま泊まることもできたわけで。
なにがどう転ぶかなんて、わからないものですね。
そんなカミーノもいよいよ4日目、ポルトガルらしい素晴らしい田舎みちを歩き、スイス人の女の子とキティーちゃんの絆創膏でコミュニケーションを取ったりしながら、次の街へと進んでいきます。
「カミーノ4日目」の日記へつづきます。
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