「カミーノ」へ行ってきました、ヌー( @like_a_rhino )です。
2019年6月に、ポルトガルのポルトからスペインの聖地サンティアゴ・デ・コンポステーラまで、250kmを徒歩で巡礼(カミーノ)してきました。
きょうはそのカミーノの「4日目」の様子を。
全体を通して巡礼者を見かけることがすくなかったポルトガル人の道ですが、このあたりからだんだん巡礼者らしきひとの姿が増えてきました。
歩き疲れてほっと一息ついた場所で、足のマメに苦しんでいるかわいらしいスイス人の女の子と知り合った日の記録です。
(彼女にはその後ふしぎなご縁で再会することになります。)
▼25km歩いてきて、泊まるつもりだった宿が満室で膝からくずれおちた…「3日目」の日記はこちら。
目次
カミーノらしくなってきた4日目、Balugaes~Ponte de Lima、歩行距離27km
偶然入った宿のうつくしい庭に癒され、カミーノをあるく足取りにも少しずつ力がついてきたように感じられる4日目です。
朝靄のなかをゆっくりさんぽ
あさ6時、目を覚ますと外の景色はとっぷりと朝靄の中にしずんでいました。
ホテル「Casas da Quinta da Cancela(カーザス・ダ・キンタ・ダ・カンセーラ)」の美しい庭も、しっとりと。
前日にここに着く前に通った古い石橋ときれいな川をもう一度見たくて、ひとりで早朝さんぽに出てみました。
カミーノを歩いていると、日中はじりじりと照りつける日光で暑いのですが、朝晩はかなり寒い。
シェルジャケットの下にライトダウンジャケットを着て、足元にはレギンス。
体感的にはこれぐらいがちょうどいい服装になります。
▼今回のカミーノの気温気候にどんぴしゃ!だった、持って行った洋服類とその組み合わせはこんなかんじでした。
この道、前の日に歩いた時は午後のかんかん照りだったので、イメージがぜんぜん違う。
深呼吸をすると、しっとりとした空気の中にカモミールやラベンダーの香りが混じっているのがわかります。
うーん、きもちいい。
20分ほど歩いたところで、前日通ってきた石橋のところに出ました。
やっぱり前日とは表情が全然ちがっていて、何かがおこりそうなちょっとぞくっとするような雰囲気があります。
ぴーかんのお天気もいいけれど、こういう表情もいいな。
さて、静寂をたのしませてもらったので、また20分かけてホテルへ戻ります。
小鳥も活動を開始したようです。
小一時間の朝靄さんぽ後、ホテルのすてきなダイニングルームでの朝食をおいしくおいしくいただきました。
ホテルのすばらしい朝食についてはこちらからどうぞ。
ポルトガルらしさ満点のみちをゆく
9時ごろ、天国のような美しいお庭のホテルをチェックアウトし、歩きはじめます。
道沿いのお宅の塀に咲くフクシャのお花、バレリーナみたいでかわいらしい。
それにしても鮮やかな色。
この日歩いたBalugaes(バルガンイス)からPonte de Lima(ポンテ・デ・リマ)までのカミーノ、実にポルトガルらしくてとても印象に残っています。
真っ青な空、真っ白な雲、青々としたとうもろこし畑とぶどう畑とオリーブの樹。
絵本のような世界です。
そして、旅が終わった今でも目に焼き付いている大好きな風景がこれ。
むこうから三輪車を押しながらヤギを引き連れた女性が!
どうやら、ぶどう畑での作業にヤギを連れて行って放し、草を食べさせるようです。
なんてしあわせな風景なんだろう…。
女性の笑顔がすてきすぎて、忘れられません。
わたしもこんな笑顔で生きていきたいよ。
そのあともぴかぴかの青空の下、峠をいくつか越えながらちいさな村々を通り過ぎていきます。
2日目に通ったS.Pedro de Rates(サン・ペドロ・デ・ラテス)の村でも、3日目に通ったBarcelos(バルセロス)の街でもそうでしたが、どうも全体的にお祭りの時期だったらしくあちこちできれいな飾り付けがされ、にぎやかな音楽が鳴り響いていました。
これが結構な大音量で、まだずいぶん遠く離れた道を歩いているときからグワングワンと響いて聞こえるほど。
しかもそれが教会の塔のスピーカーから流れてくるとあって、日本とはやっぱり文化が全然ちがうんだなあと実感します。
この時とおりかかった、お祭りの準備中らしき村の様子を動画に撮ってみました。
このBGM、わたしが編集で付け加えたわけではなく、実際に村の教会から大音量で流れてきているもの。
日本でこんなことがあったら、大炎上だと思います 笑。
足マメにキティちゃん
そんな道を歩いて2時間半。
水場の横にベンチがおかれ、休憩にぴったりな場所で荷物をおろして休憩することにしました。
ベンチには女の子がひとり座っていて、「ここにどうぞ」とすこし場所をあけて手招きしてくれています。
ありがたく隣に座らせてもらうと、「見て~!痛くて大変」と笑いながら靴下を脱ぐ。
どれどれとのぞいてみると、足の指すべてに絆創膏が貼られ、足の甲にはテーピング。
ぜーんぶマメになっちゃったのだそう。
マメ用のパッドあるよ、使う?と聞くと、「わたしも持っているんだけどあれはぜんぜん効かないの。でもありがとう。カミーノの人みんな優しい。みんな、これ使う?これはどう?って声かけてくれる。」とのこと。
そうだよね、みんな明日はわが身のお互い様、いわば運命共同体だもんね。
あ…!じゃあいいものあげる!じゃーん!
知ってる?キティーちゃん。キティーちゃんの絆創膏どうぞ!
「キャー!!!知ってる!!!かわいい!!!嬉しい!!!」
テンション爆上げです 笑。
今日の出発前に自分用に使い、お昼にスイス人の女の子に2枚あげて。
これで秘蔵のキティーちゃん絆創膏は売り切れ…。
もっと持って来ればよかった!#Portugal #カミーノ #camino#vamos_andando #HelloKitty pic.twitter.com/q4k4ndm9HW
— ヌー : すっきり、さっぱり。 (@like_a_rhino) June 15, 2019
この女の子、スイスからひとりで来てポルトから歩いているそうで、吸い込まれそうにきれいなブルーの目をした美人さん。
30分ぐらいいっしょに座っておしゃべりしながらやすんだあと、いっしょに出発。
トレッキングポールをついてよろよろ歩きながら、
- ここまでいろんな人といっしょに歩いてきたけど、自分はゆっくり歩きたいからかまわず先に行ってもらったこと。(だからあなたたちも全然気を使わずに自分のペースで行ってね。)
- 足のマメが痛すぎて、それではじめてトレッキングポールを使ったけど、こんなに助けになるものだと思っていなかったこと。
- 90歳のおばあちゃんがいるんだけど、昨日からそのおばあちゃんみたいな歩き方しかできなくて、おばあちゃんはいつもこんなに歩きにくかったんだなあと思ったこと。
- トレッキングポールなんて要らないと思ってたけど最後の最後で荷物に突っ込んできて、ここで使うことになってほんとうに助かっているけど、スキーで使うスノーバスケットの部分まで着けて持ってきてしまって自分ってバカだなあと思っていること。
きれいな目をくるくるくるくるさせながら話す様がほんとうにかわいらしかった。
それに加えて彼女と話していてとても印象的だったこと。
あまりに足が痛そうだし、知っていると思うけど荷物を次の場所まで運んでくれるポーターサービスもあるみたいだから、辛かったら頼んでみたら?と言ったら。
「わたしは、自分で持ってきた荷物を自分で背負って自分の足で歩こうと思ってここにきてる。だから、それができなくなるんだったらそこでもうカミーノはやめてスイスに帰る。」
ときっぱりと返ってきた。
そうだよね、その気持ちも、わかる。
いまの自分で、行けるところまで行きたいね。
そうこうしているうちに彼女がポルトからの道で前日にも会ったというドイツ人の女の子が合流したので、頃合いを見計らって「ブエンカミーノ!」でお別れしました。
(とっても印象的な出会いだった彼女とは、カミーノ最後の最後にびっくりするような再会をします。)
うつくしいPonte de Limaの街
ほんとうにこの日のカミーノの道はうつくしかった。
「ポンテ・デ・リマまで1km」の看板を過ぎる。
きれいな川の水面には、バイカモかな?かわいらしい小さな白いお花がいっぱい。
そのうち川幅のひろい大きな川に沿って進む道になり、突如あらわれた見上げるようなおおきな樹の並木道を通り抜け、Ponte de Lima(ポンテ・デ・リマ)の街に到着!
リマ川にかかる大きな長い橋がとても印象的で美しい街。
街なかのレストラン「Mercado(メルカド)」で巡礼者専用のMenu(メヌー)をお昼ご飯にいただきながら、【Booking.com】で今晩の宿を検索。
ここのお料理、お肉や魚もおいしかったけど特に付け合せの青菜のオイル炒めがものすごくおいしくて記憶に残っています。
カブの葉?だったのかなあ?
にんにくとオリーブオイルの香りたっぷりで、いくらでも食べられそうなおいしさでした。
さて、昼食をとりながら検索し、予約が完了した宿へ移動。
荷物をおろし、シャワーを浴びて着ていたものを手洗いし、干して、街の散策に出かけます。
味わいのある、きれいな街だなあ…。
この橋の向こうへ、カミーノは続いています。
あすはここを通っていくんだ…。
この日は土曜日で、気が付いたらレストランもバルもカフェもほとんどが店じまいしていて、数えるほどしか開いていませんでした。
お昼ご飯を3時ぐらいにガッツリ食べたこともあり全然お腹がすいていないので、結局この日も夕食は無しで寝床へ。
そういえば、こちらに来てからほとんど夕食というものを食べてないかも。
歩いているとどうしてもお昼ご飯の時間が遅くなるし、その遅い時間にレストランで食べればどのメニューもボリュームたっぷりだし、結局それで十分になっちゃうのよね。
カミーノ4日目の宿をご紹介
カミーノ4日目の宿は、ゲストハウス「My house(マイ・ハウス)」。
Ponte de Lima(ポンテ・デ・リマ)の街に着いてお昼ご飯を食べている間に【Booking.com】で予約しました。
検索していてヒットしたここ、「最後の一室!」ということでなんとなくあわてて予約をしたのですが、行ってみたらなぜかわたしたち2人だけだった。
そのおかげで、キッチンや洗濯物干しスペースなどをそれこそ「わが家」のようにゆったりと使わせてもらいました。
2ベッドルーム。
バスタオルもついていたのがうれしい。
シャワーとトイレも清潔。
ちゃんと熱いお湯がたっぷり出ました。
洗面所で手洗いした洋服は、道路に面したベランダに引っかけた物干しに並べました。
もしほかの部屋にも宿泊者がいたら、ちょっとこれだけではスペースが足りなそうかな。
キッチンにはソファと大きなダイニングテーブルがあったので、翌朝ここでかんたんに朝食を摂ってから出発させてもらいました。
とても居心地の良いゲストハウスでしたが、建物の外側に「My House」の看板や表記が一切ないので、そこだけ注意。
クレデンシャルに押してくれたスタンプも「My House」ではなく、「Casa da Villa」という名前でした。
どうやら複数の物件にまたいだ運営で、宿泊者のアテンドの時だけその物件に管理者が来て対応するシステムを取っている印象なので、【Booking.com】で予約が完了した後のメッセージのやりとりをしっかり密にしたほうがよさそうです。
そうでないと場所もいまいちわかりにくく、ぐるぐるさまよって待ちぼうけになりそう。
「カミーノ5日目」へ、つづく!
4日目はポルトガルの美しい田園風景を存分に楽しみながら歩けたカミーノでした。
個人的には今回の旅を通して、この4日目(Balugaes~Ponte de Lima)と翌日の5日目(Ponte de Lima~Fontoura)のカミーノの道の風景が、とても印象に残っています。
翌5日目は、比較的平坦な道ばかりと言われるポルトガル人の道の中では割と起伏が多く、峠をいくつか越えなくてはならないルート。
宿のある村が少ないエリアでもあるようなので、高低差があるのに加えて全体的な歩行距離も長めになり、注意が必要ないちにちになりそうです。
「カミーノ5日目」の日記へつづきます。
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